2015年7月25日

【コラム】○○としてのWindows 10

Windowsの最新バージョンであるWindows 10のリリース日が間近に迫っています。
Windows 10とはいったいどんなものなのか、この記事では筆者なりの視点から4つのキーワードで読み解いてみます。

「最新のWindows」としてのWindows 10

Windows 10は、製品名ベースで言えば2013年に公開されたWindows 8.1以来のアップグレードになります。
Windows 8で無くなって混乱を招いたスタートメニューが“復活”したり、デスクトップの外に開いていたアプリ(Windows ストア アプリ)をデスクトップ内にウィンドウとして表示できるようになるなど、従来のデスクトップスタイルでの使い勝手が改善されます。

※Windows ストア アプリはWindows 10からは「ユニバーサル Windows アプリ」と呼ぶことになったようなので、当ブログでの表記も今後はそれに従います。

Internet Explorerに代わって、新たに「Microsoft Edge」が標準のWebブラウザーになることも大きなトピックです。アイコンはおなじみの「青いeのアイコン」に似た形。シンプルな外観と高速動作が売りで、上級者向けに拡張機能の追加も予定されています。
Edgeの機能のなかで個人的に注目しているのが、ページに手書きのメモを添えて共有できる「Web ノート」。Webサービスの操作手順などを伝えるのに役立ちそうです。

ほかにも生体認証でのサインインや、音声ファイルの対応形式が増える(FLAC/Apple ロスレス)など、OS(基本ソフト)としての土台の部分でも進歩が図られています。

ちなみに、名称が「Windows 9」にならなかった理由については、革新性を表すために数字をひとつ飛ばしたとも、古いプログラムがWindows 95や98と誤判定してしまうのを避けるためとも噂されています。

「Windows 7の次の移行先」としてのWindows 10

Windows XPの延長サポート期間終了が問題になった際、大半の企業がXPの代わりに導入したのはWindows 8ではなく7だったようです。Windows 8や8.1は操作性が変わったという印象が強く、学習コストや互換性などの面から敬遠され、いわば「無難な選択」としてWindows 7が選ばれるケースが多かったのではないかと思います。

しかし、Windows 7も発売からすでに6年。いまから4年半後の2020年1月には延長サポート期間の終了が予定されています。
マイクロソフト社としては、数年先までに、もういちど法人ユーザーから選んでもらえるような使いやすくて信頼感のあるWindowsを作りたいはず。Windows 10がデスクトップの使い勝手を強化している理由には、おそらくそのあたりの事情もあるのだろうと考えられます。

〔関連記事〕
Enterprise エディションから見えるWindows 10の変化 - 阿久津良和のWindows Weekly Report | マイナビニュース

「無償アップグレード」としてのWindows 10

プリインストールPCやパッケージ版の発売ももちろん予定されてはいますが、いま使っているWindowsのバージョンが7(SP1)または8.1(Update)であれば、リリース日である今年の7月29日から1年間は無償でWindows 10にアップグレードできます。
対象のPCでは、定期的にWindows Updateが行われていれば、先月からタスクバーの通知領域に「Windows 10を入手する」というアイコンが表示されているはずです。

ただし注意すべき点があります。PC本体のメーカーがアップグレードをサポートしてくれる機種は、数年以内に発売された新しい機種のみ。まずは各PCメーカーが公表しているサポート対象機種を確認しましょう。

サポート対象外の機種の場合、アップグレードはいわば自己責任での作業になります。
万が一トラブルが発生してもアップグレード前の状態に戻せるように、リカバリメディアやシステムイメージの作成などの準備が必要です。また、ハードウェアのドライバがPCメーカー側からは配布されないため、正しく動作しないドライバがあった場合は自力で解決しなければいけません。

また、自分でインストールしたアプリケーションについても、Windows 10での使用がサポートされているかどうかを事前に確認したほうが良いでしょう。

自信がなければ無理にアップグレードせず、PCを買い換えるまで今のWindowsを使い続けるのも賢い選択です。
アップグレードしない場合は、「Windows 10を入手する」アイコンを隠すか削除することもできます。

「未知数の製品」としてのWindows 10

Windows 10では、年に数回のペースで機能面でのアップデートが続くことが計画されています。
これまでのようにアップデートに合わせて製品名が変わることはないそうで、このことを指して「Windows 10は最後のバージョンになる」「Windowsはサービスになる」と言われています。
SNSなどのWebサービスと同じように、Windows 10も年月を経るごとに少しずつ姿が変わってゆくわけです。
果たして本当にずっと「Windows 10」という名前のままなのか、未来のことは分かりませんが……。

言い換えると、まもなく公開されるWindows 10はいまだ発展途上で、もっといじわるに言えば「未完成品」です。
最近のInsider Preview(開発中のテスト版)についての記事を読む限りではまだまだ荒削りのようですし、予告されていたEdgeの拡張機能や、iOSのSiriのように会話で操作できるパーソナルアシスタント「Cortana」の日本語版についてはリリース日に間に合っていません。

とはいえ、無償でアップグレードできる1年の間にも機能のアップデートが何度か行われるので、1年後には今よりも磨きのかかった、より完成に近いWindows 10が存在しているはずです。
Windows 8も最初は荒削りでしたが、現在の8.1 Updateは個人的にはかなり良くなっていると感じますし、7に戻そうとは全く思いません。

まもなくリリースされるWindows 10は、発展途上の未完成品かもしれません。
しかし、だからこそ、いまの段階では評価を定められない「未知数の製品」であるという見方もできるのではないでしょうか。
Windows 10の今後の進歩に期待したいと思います。

《 最終改訂日: 2016/05/03 用語を一部訂正しました。》

【 →Windows 10の記事まとめ 】

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